【国際】「世界で最も革新的な企業100社」 日本29社 韓国5社 [動物園φ★]
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日本から29社、「世界で最も革新的な企業100社」 10社は10年連続
May 15 2021
 日本企業についてイノベーションの欠如が叫ばれることがあるが、実際には世界に誇れる独創性を持っている企業が多いようだ。英国の調査会社が選ぶ、世界の革新的な企業・機関100社のうち、約3割を日本企業が占めた。アメリカに次いで多い受賞社数となっている。
◆日本企業が約3割を占める
 最新のレポートは、情報分析を手がけるクラリベイト・アナリティクス・ジャパン社が2月に発表したものだ。「クラリベイト・トップ100・グローバル・イノベーター 2021」と題されたこのレポートでは、世界で最も革新的な企業・機関100社をリストアップしている。クラリベイト社は米フィラデルフィアとロンドンに本社を構え、科学・学術研究から工業分野まで多様な領域のデータと知見を提供している企業だ。同社は独自に保有するデータベースから特許取得件数などを抽出し、各社の革新性の指標とした。
 「トップ100・グローバル・イノベーター」レポートは毎年発表されており、今年で10回目を数える。日本からは今年29社が受賞しているが、うち10社は10年すべての年で受賞しており、確固たる評価を得ているようだ。10年連続で受賞を果たした企業は、富士通、日立製作所、ホンダ、NEC、NTT、パナソニック、信越化学工業(樹脂・半導体シリコン)、ソニー、東芝、トヨタとなった。日本企業が世界市場に対し、電機・通信・自動車分野で大きな影響力を保っていることが表れている。
 10年連続受賞以外の日本企業としては、自動車関連など製造各社を中心に19社の名が挙げられた。AGC(ガラス)、アイシン精機(自動車部品)、カシオ、ダイキン、富士フイルム、古川電機(光ファイバー等)、川崎重工、神戸製鋼、小松製作所、三菱電機、三菱重工、日亜化学、日本製鉄、日産、オムロン、ルネサス(半導体)、TDK、安川電機(産業用ロボット)、矢崎総業(自動車部品)となっている。なお、掲載順は順位を示すものではなく、英字社名順となっている。
https://newsphere.jp/business/most_innovative_organizations_2021/

◆最多はアメリカの42社
 地域別の割合を見ると、アメリカが約40%、日本が約30%を占めている。その他アジア諸国が約15%、その他西欧諸国が約15%という内訳だ。
 絶対数ではアメリカが最も多く、42社となった。著名企業を一部抜粋すると、3M、アマゾン、アップル、AT&T、ボーイング、ボーズ、ドルビー、フェイスブック、GE、グーグル、HP、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、マイクロソフト、ナイキ、カリフォルニア大学、ゼロックスなどとなっている。
 日本以外のアジア企業では、台湾と韓国が5社ずつ、そして中国が4社を送り出した。台湾からはASUSとフォックスコン(電子機器組立)、韓国からはLGとサムスンなどがそれぞれリスト入りしている。中国企業はファーウェイ、テンセント、シャオミなどとなった。アジアでは電子関連企業の勢いが目立つ。
 ヨーロッパ企業では、バイオ・通信機器などが存在感を示した。ドイツ、フランス、スイスからは各3社がランクインしている。ドイツはバイエル(医療機器・医薬)、フランスはシュナイダー(電機)、スイスはロシュ(バイオ)などがリスト入りを果たした。その他西欧では、イギリスがARM(半導体)、カナダがブラックベリー、スウェーデンがエリクソン、フィンランドがノキア、そしてオランダがフィリップスなど2社をランク入りさせている。
 地理的な分布に集中が見られ、リスト入りした企業は北米・ヨーロッパ・アジアの3大陸いずれかに属している。南半球からのリスト入りはなかった。また日米2ヶ国でトップ100の7割を占め、世界13の国と地域でトップ100企業・機関のすべてを占めている。

◆投資対象としても優秀
 クラリベイト社はリリース(2月24日)のなかでレポートの意義に触れ、「特許を生み出し最先端をリードするアイデア創出の文化を測定することで、世界のイノベーションランドスケープの頂点に立つ企業を明らかにして」きたと述べている。とくに10年連続で選出された企業は、過去6年間常にその時価総額成長率において、ダウ平均株価およびS&P 500を構成する企業を上回っていたという。同社は2014年10月からの6年間で収益率の差が2.5倍近くに至ったとしており、革新性に富んだ企業が投資対象としても優れる結果となった。
 クラリベイト社の知財事業責任者であるジェフ・ロイ氏は、「急速に変化する今日の世界において、世界のイノベーターは社会的資源であり、これまでになく極めて重要な存在となっています」と述べている。
last-modified: 2021-06-13 06:18:10