【コロナ】自殺者13カ月ぶりに減少 、「政府の要請を無視したおかげ」か [haru★]
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警察庁が8月4日時点の数字として発表した2021年7月の自殺者数(速報)は、1590人と前年同月に比ベて14.7%減少した。
総じて減少傾向にあった自殺者数が増加に転じたのは2020年7月。以来、1年にわたって大幅な増加が続いてきた。
中でも女性の自殺が大きく増加、2020年10月には1年前の1.9倍とかつて記録したことがない急増となり、男女合計の月間の自殺者は2231人に達した。
自粛によって「巣篭もり」を強いられたことで精神的に追い詰められたり、失業によって経済的に困窮したことが要因ではないかと考えられた。
特に飲食サービス業を中心にパートやアルバイトの解雇が広がったことで、弱者である女性にしわ寄せがいったことが、自殺の急激な増加に結びついたとみられていた。
厚生労働省は「新型コロナウイルスの影響が長期化する中、仕事やDV=ドメスティック・バイオレンス、育児や介護の悩みなどが深刻化していることが背景にある可能性がある」とみていた。
その自殺者が減少に転じたのである。

新型コロナの新規感染確認者は全国各地で過去最多を更新し、「第5波」はこれまでにない増加傾向を示している。
数週間遅れて増加する「重症者数」も8月中旬から過去最多を更新しており、医療のひっ迫が各地から報告されている。
そうした新型コロナの感染状況はむしろ悪化している中で、なぜ、自殺が減っているのか。
皮肉な事だが、国民が政府の言うことを聞かなくなったのが一因だろう。
菅義偉首相ら政府首脳は、繰り返し国民に不要不急の外出自粛や飲酒を伴う外食の自粛を求めてきた。
だが、政府が求めるほどには人出は減らず、要請を無視して酒類を提供する飲食店には若者などが集まっている。
経済活動がほぼ止まった2020年の4月の緊急事態宣言時とは、まったく様子が異なり、まがりなりにも経済活動が動き続けている。
この結果、例えば2020年3月からマイナスが続いていた「女性の非正規雇用者」は、2021年4月以降プラスに転じ、最新データの6月は3.3%も増えている。
女性の「パート」だけを見ると4.2%の増加だ。女性パートのピークは新型コロナが広がる直前の2020年2月の943万人で、2020年5月には865万人にまで急減したが、直近の今年6月には903万人と900万人台を回復した。
政府の思惑とは違った「なし崩し」の経済活動再開が、結果的に弱者の雇用を生み、結果的に自殺者が減少に転じている可能性がありそうだ。

もちろん、だからと言って菅首相が、「対策が後手後手に回った結果、国民が言うことを聞かず、結果的に経済活動を始めたことが弱者救済につながりました」などと言えるはずはない。
「雇用調整助成金」の支給拡大もあって、新型コロナ下ではずっと正規職員の増加が続いている。こうした政策効果も失業の発生を防いでいる一定の効果はある。
政府の自粛要請で最も影響を受けてきた「宿泊・飲食サービス業」の就業者数をみると、経済活動が「なし崩し」で再開されている様子が浮かび上がる。
2020年1月以来減り続けていた同業種の就業者数が、2021年6月に18カ月ぶりにプラスに転じたのだ。営業自粛ももはや限界と感じ、営業を再開していることが出始めたのだろう。

だが、このまま、なし崩しの経済活動再開が続き、雇用環境が改善していくかどうかは微妙だ。
緊急事態宣言の発出地域が広がり、政府が改めて自粛の強化を求めていることもあるが、それ以上に若年層の感染者が広がり、重症化が広がっていくことで、
国民の間に改めて「危機感」が強まれば、自主的に外出や飲食を避けるようになり、店舗は営業したくても客が来なくなる。
2020年春のように経済活動が凍りつけば、そのしわ寄せは再び、弱者に及ぶ。
そんな再び自殺者が増えるような事態にしないためには、政府は先回りして弱者救済の方法を用意しておくべきだろう。
一律10万円の特別定額給付金を支給してから1年以上が経ったが、もう1度、定額給付金を出す場合、前回のような混乱はなくスムーズに配布することができる体制になったのだろうか。
ただ全員に配るだけではなく、本当に困っている人に給付金を届けるシステムは用意されたのか。
今度、経済活動が止まった際に、困窮した経済弱者の自殺が急増するようなことがあったならば、それは明らかに政府の無策、準備不足で、明らかに人災ということになる。

2021.08.20
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/86440

ゲンダイ

菅ちゃんのおかげだな!
last-modified: 2021-08-23 20:14:20