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《100人乗っても大丈夫》《タイ〜ヤマルゼン♪タイヤマルゼン》《「皆さんご紹介いたしま〜す」「わぁ安い〜。社長、ありがと〜」》など、企業の社長自らが登場するCMは、インパクトも強く、頭に残ってしまうものが多い。こういった“社長CM”はいつからあるのだろうか。
「さかのぼれば、1970年代からありましたね。ただ、最近のCMは、社長が唯一無二の語り部として進化した感があり、新たなキーワードである、インフルエンサー・マーケティングの一種とも捉えられます」
そう話すのは、広告研究の専門誌である月刊『宣伝会議』編集長の谷口優さん。そう言われれば、1970年代には「ピップエレキバン」でおなじみ『ピップフジモト』会長・横矢勲さんが、1980〜1990年代には「ウィークリーマンション」でおなじみ『ツカサ』の社長・川又三智彦さんなどが、自ら広告塔の役割を担っていた。
「当時は、第三者が説明したのでは伝わりづらい商品の特長をわかりやすく伝えるために社長がCMに出演して顔を売り、それによって企業の透明性や信頼性、安心感を獲得した面もありました。
いまは、ネットや通販など“顔が見えない流通の時代”に、最も熱量を持って会社や商品の魅力を伝えられる販売員として、社長が前面に立つ“実践的なCM”へと変化し、社長のキャラクター化が進んでいると思います」(谷口さん・以下同)
企業のオリジナルキャラクターは、生身のタレントと違って不祥事を起こす可能性が極めて低い。しかも、それを社長が務めるとなれば、高額なタレント出演料もかからない。チラシに画像を使う際も、追加料金なしで自由に使えてお得なのだ。
「同じような商品を扱う会社が複数ある場合、社長が出ることが1つの付加価値となって他社と差別化できる。また、頭髪の悩みなどのコンプレックス系商品では、同じ悩みを持つ社長だと、より信頼感が高まり、『どうせならこの社長の会社を頼ろう』という心理が消費者側に働くのもポイントです。
最近Amazonなどが人間味あふれるCMを志向しているのも、企業キャラクターが無機質に見えると消費者との関係がギスギスしたものになりかねないから。その点、企業キャラ、さらには社長の顔が見えると信頼感と安心感が生まれます。社長がCMに出ると悪質なクレームも減る傾向にあるようです」
顔の見えない時代だからこそ、安心と信頼を得られる社長CMが担う役割は大きい。
【プロフィール】
谷口優(たにぐち・ゆう)/『宣伝会議』編集長。2007年より月刊『宣伝会議』編集長に就任。現在は出版・担当取締役を兼務、社会情報大学院大学准教授。
AVに例えるとどんな状況?
湯川専務 last-modified: 2021-08-24 12:28:35