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2021年08月26日
【ラジオ】 その熱さが羨ましい! 伝説の深夜ラジオ『林パック』が今、伝える“本物の青春” [無断転載禁止]
【ラジオ】 その熱さが羨ましい! 伝説の深夜ラジオ『林パック』が今、伝える“本物の青春” [無断転載禁止]
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[2016年09月21日]
『1974年のサマークリスマス』の著者、柳澤健氏
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/> 1970年代、一部の若者たちを熱狂させた深夜ラジオ、林美雄の『パックインミュージック』。「林パック」と呼ばれたその放送の中で、ユーミン、タモリ、野田秀樹、RCサクセションなど多くの才能が発掘された。
TBSアナウンサーから伝説のパーソナリティーとなった林美雄と、周囲の人間たちが紡ぎあげた物語が一冊の本になり、再び脚光を浴びている。
その『1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代』(集英社)の著者、ノンフィクションライター・柳澤健氏が感じとった熱き青春とは。
―「林パック」はどんな番組だったんでしょうか?
柳澤 林パックは、リスナーの思いを受け止めるということよりも、林さんが自分の心に響いた映画や音楽などを紹介する番組だった。「あなたも興味があったらどうぞ」といった感じで、送られてきたハガキをほぼ読まず、
まだ無名だった荒井由実時代のユーミン(松任谷由実)や石川セリ、低迷状態にあった日本映画などをバンバン紹介した。特に1970年から74年まで金曜2部で放送していた時はスポンサーもいなかったから、聴取率を気にすることなくやりたい放題できたのも大きいね。
でも、TBSからすれば、「そんなの100人にひとりしかウケないよ」「あんな番組、冗談じゃねぇ」っていうふうになるわけ。70年代前半の深夜ラジオは、多くの若者たちにとって
「自分の思いを聞いてもらいたい」というものだった。パーソナリティーがバーチャルな「お兄さん、お姉さん」で、そこで読んでもらえるようなネタを持っていることが自分の存在証明となっていた時代だから。
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/09/21/72361/
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―それでも若者から熱狂的に支持されたのはなぜ?
柳澤 林さんの「これがいいんだ!」という確信が羨ましかったんじゃないかな。大学生の頃って、自分がどういう人間かってわからないし、将来に不安を抱える人が多いでしょ。
「好きなことをすればいい」と言われるけど、好きなこともわからなくて。そこで自分探しをする時に、林さんは確信を持っている大人のように見えた。
その憧れが膨大な熱量を生むわけだね。林パックの打ち切りが決まると、リスナーたちはパ聴連(パック林美雄をやめさせるな! 聴取者連合)を結成して、番組存続を願う署名を集めたんだ。
最終回直前の林さんの誕生日、8月25日に行なわれた「サマークリスマス」のイベントでは、代々木公園に400人が集結。台風で中止になるはずが急遽、
林さんがTBSのスタジオを確保して、イベントに参加していたユーミンと石川セリがそこで歌う。すごいドラマだよね。
そんな活動の甲斐もあって、林パックは75年に深夜1時からの1部で復活するんだけど、時代はエンターテインメント至上主義に変わっていった。
『ビートたけしのオールナイトニッポン』人気に押されるように『パックインミュージック』そのものが打ち切りに追いやられたのはその象徴だね。放送時間が早まったこともあって、林さんも前ほど好き勝手できなくなった。
その時に出演したタモリが“4ヵ国語麻雀”で一躍有名になったりしたけど、エンタメ要素が強くなって、昔からのファンは徐々に離れていくことになるんだ。
↓
―柳澤さん自身も林パックの影響を受けた?
柳澤 いや、僕は林パックどころか、他の深夜ラジオも全然聞いたことがなかったんだよね。4年前、『小説すばる』の編集長だった高橋秀明さんから「林美雄で青春ノンフィクションの連載をやってくれ」って話を持ちかけられた時、
僕は林美雄のどこが青春なのかさっぱりわからなかった。それでも、僕の『1985年のクラッシュ・ギャルズ』(文藝春秋)を「これが青春ノンフィクションだと思ったから」と言ってくれたので、「じゃあ、やりましょう」と。
そこから70人くらいに取材をしたけど、林さんファンの中では「こんだけ知らないのはすごい」って結構、話題になっていたみたい(笑)。でも、何も知らない僕だからこそ、林美雄という人物をいろんな角度から見られて、全体像を描くことができたと思う。
林さんを知る人だと、当時の思い出が美化されていたり、主観が入っていたりするからね。毎日一緒にいる奥さんでさえ、パートナーとしてこれ以上は踏み込んじゃいけないって部分もあっただろうし。
長い時間語ってくれた人もいれば、ほとんど話してくれなかった人もいるけど、そのすべてが本文の林美雄像に反映されている。お陰できちんと
「青春ノンフィクション」ができたから、連載が終了していよいよ書籍化するという時に高橋編集長が亡くなられたのは本当に残念だった。
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last-modified: 2021-08-26 23:11:56