女性の社会進出と“脱コルセット” ★5 [かも★]
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史上初の総力戦がもたらした 女性参政権と“脱コルセット” 公開日:2021/04/21 06:00 更新日:2021/04/21 06:00 ■和歌山大学入試問題  今回は、2015年に和歌山大学で出題された、興味深い世界史の入試問題(資料)から考えてみましょう。 束縛の象徴  入試問題の左側の女性に見られる通り、第1次世界大戦前の女性は、体をコルセットできつく締めつけ、必要以上にウエストを細く見せることに力点を置くだけでなく、ドレスや帽子はフリルやレースで飾られるなど、外に出て働くことがまったく想定されていません。そして体を縛るコルセットは、まるで女性の人生をも縛りつける象徴のようなアイテムとなっていました。  そもそもコルセットはひとりで着るには大変で、もうひとりが背中の紐を締めてあげなければいけませんでした。コルセットといえば、私はジェームズ・キャメロン監督の映画「タイタニック」のワンシーンを思い出してしまいます。没落しつつある貴族階級の娘であるローズに、母親が「どこの馬の骨」とも知れぬジャックとの接触を以後、二度としないようきつく申し渡す際、ローズのコルセットを「キッキッ」と音を立てながら、まるでローズの心に刻み付けるかのごとく、きつくきつく縛っていたのです(写真③)。コルセットを着用するという場面を通じて、身分制社会における当時の女性の地位を見事に表現したシーンだったと思います。 「モガ」の登場  これに対し、入試問題の右側の写真からは、動きやすい2ピースのスタイルで過剰な装飾がそぎ落とされ、ゆるやかなウエストラインでありながら、動きやすい機能性が追求されていることが分かります。髪形もショートカットが流行し、靴のヒールも低くなって、社会に出て働くことが前提となるファッションへと変化していったのです。  このような流行の最先端を走り続けたのが、ココ・シャネル(写真④)でした。彼女は、軟らかいジャージー生地などを積極的に利用して、シンプルで機能的な、そして新しい時代を象徴するようなファッション性に優れた服を作り続けました。そんな彼女が手がけた香水が、あの「シャネルの5番」です。  大正時代の日本においても「モガ(モダンガール)」(写真⑤)という言葉が生まれたように、新しいファッションが始まってくるのです。 偏見からの解放へ  19世紀には女性は家庭へと押し込められ、男性に従属する人生を期待されました。20世紀には世界大戦の影響もあって、女性が社会に進出するようになります。そして21世紀には女性の指導者が世界各地で当たり前のように見られるようになりました。  現代の日本において、「女性は家庭を守り、子を育てるのが当たり前だ」という議論を展開しようとする政治家がまま見られますし、時には「女性は話が長くて困る」などという偏見を垂れ流す人もいます。しかし歴史をひもといて考えてみると、それは19世紀の価値観をそのまま焼き直しているだけにも見えるのです。  一方、アメリカでは初の女性副大統領が誕生しました。では、日本で女性の首相が誕生する日はいつになるのでしょうか。世界は常に動いています。私は歴史の新しい展開を待ちたいと思います。
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last-modified: 2021-05-07 01:00:24