【解説】ワシントンDCの桜は韓国産?杜撰な取材で拡散する嘘 [3/31] [昆虫図鑑★]
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(略) ワシントンDCの桜は韓国原産? 韓国では春の風物詩のように毎年「ソメイヨシノは韓国起源」という類いの記事が出ていた。だが2018年9月、韓国山林庁の国立樹木園が、韓国の済州島に自生する桜とソメイヨシノは、遺伝的に別物であるとの研究結果を発表して以降、この種の記事はめっきり減っていた。「今年はどんな珍説が出るのか?」と期待している筆者にとってやや寂しい時期が続いたが、2021年は違った。 韓国の大手紙「中央日報」は3月29日「ワシントンで満開の桜、済州島の桜だろうか」という記事を公開したのだ。舞台はタイトル通りアメリカの首都ワシントンDCだ。日本でも非常に有名だが、ワシントンには日本から送られた数千本の桜の木があり、春の開花時期には「桜祭り」が開催されている。コロナ渦のため2021年は人出が少ないだろうが、毎年100万人もの観光客が集まるという。多くのアメリカ人が、美しい桜の花と着物の試着など日本文化を楽しみ、日米同盟の蜜月ぶりを象徴する場にもなっている。 この桜の木が、「実は韓国の済州島から持ち込まれたものだ」というのが問題の記事の結論で、根拠の1つはアメリカ農務省による遺伝子検査だ。記事によると、済州島に自生する桜とワシントンの桜が同じ塩基配列を持っているという事実が確認されたという。そこでアメリカ農務省の資料を見てみたところ、日本のソメイヨシノと韓国に自生する桜のDNAを比較した2007年の研究結果があった。 しかし「結論として、韓国の桜はソメイヨシノの交雑種とは異なると考えられる(In conclusion, it appears that the Korean taxon,P.yedoensis, can be considered different from Yoshino cherry hybrids)」と結論付けられていて、逆に「ソメイヨシノ韓国起源説」を否定するものだった。 短期間で桜を揃えられるはずが無い! 問題の記事はさらに、1910年に日本から送られた桜が害虫により全量廃棄された事を紹介し、その14カ月後に6000本以上(ワシントンに3000本、ニューヨークに3000本)の桜を改めて日本が送った事について「短期間に数千本の桜を再び集めることができたのかが問題」だとして、済州島で採取された桜がアメリカに持ち込まれた説には説得力があるとしている。 では実際にはどうだったのか?その経緯に詳しい兵庫県伊丹市元職員の荒西完治さんに聞いた。荒西さんによると、最初にアメリカに送られた桜は東京で準備されたものだったが、害虫により全滅してしまったという。そのため当時の農商務省がプロジェクトチームを結成し、短期間で大量かつ安全な桜の苗木を準備する方法が検討され、接ぎ木によって一気に桜を増やす案が採用されたのだ。 そこで白羽の矢が立ったのが、伊丹市だ。伊丹市は当時から柑橘類などを生産するための接ぎ木の土台になる木(台木)の生産が盛んで、なおかつ害虫を駆除するための特殊な消毒小屋を保有していた。そこで農商務省は伊丹市の農家に台木約1万5000本を発注。国の威信をかけた失敗の許されない仕事だったが、伊丹の農家は見事にやり遂げたという。その後荒川の河川敷で採取された桜の枝が接ぎ木され、静岡県にあった農商務省の試験場で1年間養生された結果、ごく短期間で立派な苗をアメリカに送ることが出来たのだ。 荒西さんの元には、「ワシントンの桜は済州島産だ」と主張する韓国人から連絡が来ることがあるという。しかし、1912年当時に朝鮮半島から苗木が取り寄せられたとの情報や資料は全くない。「彼らは接ぎ木で桜を大量生産する技術があることも知らずに、思い込みだけで連絡してくる」と呆れて話していたのが印象的だ。 荒西さんのお話や様々な資料から、当時の日本人が総力を挙げ、全国各地の資産を活用して桜を育て上げたことは間違い無いだろう。何の根拠も無く、単なる思い込みで「短期間で大量生産など出来るはずが無い。こっそり済州島から持ち込んだに違いない」と主張するこの記事は、美しい桜をアメリカの人にも楽しんでもらおうと奮闘した、当時の日本人を侮辱している。 全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/6817d8800b1b34f65f0ad7d2cbff633c64b7566f
last-modified: 2021-05-08 21:01:56