【芸能】〈独占告白〉青木さやか「パニック症になった私が、薬を手放せるようになるまで」 [砂漠のマスカレード★]
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青木さやかさんの連載「47歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、48歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」が話題になりました。今回、初めて「パニック症」を経験した過去を明かします。
◆心臓がバクバクし始める
おかしいな、フラフラする、息ができない、倒れるかもしれない。
いつ頃からか、そんな日が増えてきた。最初は、体調が悪いのか、生理前だからか、などと思っていたが、ある時、意識がなくなりそうになり、本当に立てなくなって、救急車で運ばれた。
病院に着く頃には
「あれ、歩けます、わたし歩けますね」
と、なっていた。
後日、病院でいろいろと調べてはみた。脳、神経、疑わしいものは先生の判断で検査をしてもらい、多くの病院を転々とした。しかし、突然倒れる原因になるような身体の病気は見当たらなかった。
そのうち、倒れそうになる時の法則がわかってきた。家で気を失いそうになることはほとんどなく、仕事中、移動中、があやしい。観劇している時も、そうなった。
「もし、ここで、倒れたらどうしよう」
その心配が強い時に、心臓がばくばくし始める、ということがわかってきた。
「よーし、わかったぞ」
だからといって治るわけでもなく、どんどんとひどくなってきた。
恐怖だった。
◆もうロケバス移動は、むり
仕事中、突然意識を失ってしまうような感覚に襲われる。もう長い時間の仕事は難しいかもしれないと思った。ロケバスでの移動中、油汗をかきながらなんとか目的地に辿りついたりもした。
もうロケバス移動は、むり。生放送で痛ましいニュースを観た時などに、意識が飛ぶ感覚も味わった。ワイプの中の私が倒れて、それがニュースになるなんてことは避けたい。
急に大声を出したりするとフラついた。「どこ見てんのよ!」も封印だ。
(ご要望もほとんどございませんが)
え?
だったら、何にもできないじゃない自分。笑える。いや笑えない!
どの仕事を控えて、どの仕事ならできるのか。それも実際のところ、よくわからない。
だいたい、そもそも仕事を選んでいられる立場なのか。選ぶ、なんてことをしたら仕事は減るだろう。生活はどうなるんだろう。
ただただ、恐怖だった。
パフォーマンスが落ちているかも、そして、それはバレているかもしれない。
それも、恐怖だった。
自分のカラダで表現をする、タレントというこの仕事は将来的に厳しいのかもしれない、と不安が頭をよぎった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7560c2f1514fd242209e5694889fd9580b76293 /> 5/10(月) 13:01配信

◆心療内科に行ってみた
治療して治れば問題はないのだが……いろんな病院で調べたものの、原因はわからずじまいである。となると、心因的なものから来ているのかもしれない。あまり考えたくはなかったが、そうかもしれない。
わたしは、会社に相談し、会社が勧めてくれた都内の心療内科に行ってみた。
そこはビルの2階にあった。清潔感のある病院で、長いソファが置いてあり、そこには10人近くの人が座っていた。わたしは顔が見られないようにマスクをし、帽子を目深に被って受付をし、1番奥に座った。誰も人のことなんて気になどしていなかったから、隠れようとしているわたしが自意識過剰に感じて、「はあ、いつまで芸能人だからどうだって思っているんだ自分は」と思った。そこに座っている人たちを観察していたのはわたしのほうだった。静かな待合室だったが、今まで知っているいろんな病院の待合室と特段変わらなかった。至って、普通、だった。
待ち時間が長いからなのか「あ、これ読みたかった」という雑誌が充実していて、「温泉宿特集」が掲載されている1冊を手に取って眺めていた。
30分ほど経ったころ、柔らかい声で名前を呼ばれ、「こちらです」と、部屋にと通された。
40代後半くらいだろうか。柔和な雰囲気の男の先生が座っていた。黒いニットタートルに、プリーツの入ったチェックのパンツに、茶色い革靴を履いていて、まさに紳士そのものだった。白衣はきていないのだな、と思った。

◆眠れないんです。寝なきゃ寝なきゃと思うんですが
「こんにちは」
「こんにちは〜」
「お待たせしましたね、どうなさいました?」
先生はゆっくりと、聞いた。わたしは感覚的に、この人を信用しようと思った。
「えっと、ですね」
「はい」
「ここ最近、倒れるようになりまして。実際に倒れたのは数回なんですが」
「どんな時に、そうなります?」
「多いのは、仕事の時、です。あとは、ロケバスに乗ったりして、降りられないと思ったり、迷惑がかかると思うと」
「はい」
「心配になって、バクバクしてくる、んですね」
「いつ頃からですか?」
「えー、とですね、離婚を半年ほど前にしたんですが、その頃一度倒れましたね。でも、その頃は、あまり食べられなかったので、だからかな、と」
「今は食べられていますか?」
「そうですね。はい。ただ」
「ただ? はい」
「明日のことが心配になったりすると、食欲は出なくて、でも食べないと体力がなくなるので、ムリに食べなくては、と思うのですが」
「食べられなかったりもする」
「はい」
「眠れていますか?」
「眠れないんです、寝ないと体力が元に戻らないとわかっているので、寝なきゃ寝なきゃと思うんですが。明日が心配になればなるほど眠れないんですね」
「そうですか」
「病院で、調べられるものは調べましたけど、特に、原因がわからなくて」
「そうでしたか」
「先生、どう、なんでしょうか」
last-modified: 2021-05-13 00:23:40